『花鳥画』に骨董品価値はある?買い取りについて解説します

”花鳥画”は古くから中国で描かれ、後に朝鮮や日本にも伝来した画題の一つです。

花鳥画という名前ですが、決まって花や鳥が描かれているわけではありません。草木、昆虫、魚などの水中に棲む生物、時には小動物等が画題になっている場合もあります。また、著名な画家の作品であれば、高価買取が期待できるかもしれません。

今回の骨董品買取コラムでは、花鳥画の買い取り価値、魅力や歴史、障壁画としての花鳥画など多方面からご紹介致します。是非最後までお読み下さい。

花鳥画の魅力

花鳥画は中国の唐時代に起源を持ち、日本で古くから愛されている画題です。そのモチーフとなるものは、花や鳥に限らず、草木や魚、昆虫など様々な動植物に及びます。動植物が柔らかく、ときには大胆に描かれ、自然が持つ豊かな表情を、私たちに見せてくれることが魅力と言えます。

 

花の作品を例にすると、花が一番美しく咲くその瞬間を捉えて描かれます。日常の生活の中ではなかなか出会えない場面を、時には大胆な表現を交えながら、作品を通し見ることを可能とします。日本では、季節を題材に取り入れた独自の作品も数多く描かれ、壁に掛けることで四季折々の豊かな情景を味わうことができます。

花鳥画の起源と歴史

中国の唐時代に起源があるとされる花鳥画は、北宗時代の末期である徽宗の時代に完成期を迎えます。その後、画題の主流になり、明時代中期に広まった文人画へと連なります。日本では、鎌倉時代から中国の作品の模倣として花鳥画は描かれていました。室町時代になると、唐物が尊重されつつも、大和絵の技法を合わせたオリジナルの作風が誕生し、鶴や松、四季折々の自然をモチーフとした、日本独自の進化を遂げた作品が描かれることになりました。

 

この時代の花鳥画は、襖などの障壁画としての需要が多く、主に寺院や上流階級の人達の邸宅にありました。障壁画の有名な画家で、雪舟や狩野正信などがいます。室町時代にかけて描かれた花鳥画は、その後、狩野派や土佐派、琳派に代々受け継がれていくことになります。

障壁画として描かれた花鳥画

日本では、障壁画として描かれた花鳥画が数多くあります。障壁画とは、壁や襖、板戸などの建築物に描かれる絵画を指します。障壁画が描かれた建築物として、宮廷や城郭、寺院、公家や大名の上流階級の人々の邸宅などがあります。障壁画は古くから作品が存在しますが、特に安土桃山時代から江戸時代初期頃にかけての障壁画は、豪華絢爛で大胆な構図の名品が数多く誕生しました。

 

作品例として、狩野探幽が描いた京都にある二条城二の丸御殿の障壁画が有名です。襖に描かれた障壁画は、後に屏風や衝立として新たに仕立て上げられ、障屏画として生まれ変わった作品も存在します。

花鳥画の評価、その価値と買取り

花鳥画は長い歴史を持ち、多くの人々に愛されてきましたが、中でも日本においては室町時代から江戸時代に名品が数多く生まれ、その作品価値は高いと言われています。

 

近年にかけて作品の評価が上がってきた画家として、江戸時代中期に活躍した伊藤若冲が挙げられます。横山大観や前田青邨、速水御舟といった近代以降の著名な画家も花鳥画を多数描いてることからその人気を伺えます。また専門の鑑定機関もあり、鑑定書類が付属していると査定が容易になる為、結果高価買取りに繋がりやすくなります。